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2010/10/18公開
今年早くも2枚目のアルバムをリリース! シンガーソングライターかつロックなアーティスト、小林太郎の魅力とは?
今春、19才でファーストアルバムを携え“全国始動”した小林太郎が、早くもセカンドアルバムをリリース。夏フェスなどを経験し、年齢や性別をこえてファンを増やしている彼について、本人コメントも交えて紹介します。
細分化したロックシーンにおいて効果的なマーケティングは可能か? うんぬん……いや、元来、そうした策略からもっとも遠くにあるのがロックだろ、うんぬん。そんな二元論をぶっ飛ばすアーティスト、それが小林太郎だ。言葉で説明する前にまず音を聴いてほしいという意図で、ほぼノンプロモーションのままファーストアルバム『Orkonpood』を今年4月にリリースし、“全国始動”。その後、ライブ活動を本格化し、今夏は「SUMMER SONIC」「ROCK IN JAPAN FES.」など国内主要フェス16本に出演し、潜在人気を証明した。CDやラジオ、そして初めての生音楽番組出演となった先の「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)、そしてもちろんライブの現場で彼の曲や演奏に触れたリスナーは10代から40代まで世代をこえて、「かっけ〜!」という第一声を発することになったのだ。
大まかにいえばモダンロック(現代のロックという意味で)になるのだろうが、小林が作詞・作曲し、バンドメンバーとともに鳴らす音は、90年代のミクスチャー以前の太文字の“ロック”を想起させる。と、同時に70年代や80年代のロックにはなかったクリアさやソリッドさがあるのだ。それはセカンドアルバムとなる今回の『DANCING SHIVA』で顕在化している。小林は言う。「音でも歌詞でも歌い方でも、すべての面においてセカンドは振り切りたかったという思いがあったからだと思います。なので、ファーストと比べると、よりソリッドに、音の質感もクリアになったのかな、ということは感じます」。のどが裂けそうなボーカルも、繊細な表現も聴かせる彼。いずれにしてもスキルだけで達成できる種類のものではない。「レコーディングでの歌録りというのは、ライブでの歌と違って、熱量が思ったように聴き手に伝わりにくいということを感じるので、激しい歌でも静かな歌でもできるだけ自分の声の熱量みたいなものはなくさないように大事にしています」。
アルバムの第1音から空気がビリビリ振動し、小林の世界が怒とうのように脳を揺さぶる。そして、なにをしてもあいまいな手ごたえしか得られない日常のなかで、正義や愛の意味を疑い、それでも本質を見据えようとするとても気の利いた(的を射た)言葉が、感情をくすぐる。つまり、曲そのものが破格なのだ。「とにかくいい曲を書くこと」が最強の命題である彼。今回のアルバムで新しいことに挑戦できた曲は? と問うと……。「『日触』(ラストナンバー)ですね。セカンドの1曲目から9曲目まではセカンド、というイメージがあるのですが、この曲はサードでやりたいようなことをやってみようと思って作ったものなので、コーラスの重ね録りや曲の雰囲気など、いろんなことを試している曲ですね」。これまであった、フォーキーなサウンドとは違い、浮遊感のなかに希望とあきらめが交互に立ち現れるような表現が新しい。そう。常に小林太郎は“いい曲”を自分のなかでつかみ取ろうとしている。
ミュージシャンを目指したきっかけは、小学校のときに歌を両親に褒められたことという彼。「もし、音楽との出会いがなかったら、いまごろは大学にでも行ってプラプラしてるか、フリーターしてると思われます」と、ごく普通の青年の素顔をのぞかせる。だからこそ描けるリアリティーと、音楽でその現状をこえていこうとするエネルギー。「いまは音楽でできるだけ、自分を変えていきたいと思ってます。それはまったく別のなにかになりたいというわけではなく」。“音楽”を、いまあなたが真剣に取り組んでいるなにかに置き換えれば、小林太郎というアーティストが自ずと見えてくるはずだ。
(文 / 石角友香)
1音目から強烈な音像と音圧、叫びにも似たボーカルで圧倒する『freedom』から始まり、彼なりの4つ打ちナンバー『ユニヴァース』、透明感のあるスロー『エンクロック』、ハードドライビングな『ガソリン』など多彩に広がりを見せながら、ソリッドでクリアな印象を残す全10曲。ラストの『日触』で聴ける、歌を中心に据えた表現も新鮮。

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