2009/11/10公開
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あらゆる世代が楽しめるグッドミュージック、大橋トリオの音楽が愛される理由
スタンダードを定義しにくい時代に、あらゆる世代が楽しめるグッドミュージックを作り、表現する大橋トリオの人気が定着してきた。好状況のなか、いよいよ11月11日にメジャーからのファーストアルバム『I Got Rhythm?』をリリースする。
音楽通が選んだ極上ミュージック。今年度開催された「第1回CDショップ大賞」準大賞を大橋トリオが受賞したという事実は、まさにその証のようなものだったのかもしれない。しかも音楽通ばかりでなく、大橋トリオの音楽には、普段ほとんど積極的に音楽に触れる機会がない人の耳さえも、あっさりと魅了してしまうマジックがそなわっている。実際、それを裏付けるかのように、「第1回CDショップ大賞」準大賞受賞以降、店頭での盛り上がりをきっかけに、過去の大橋トリオ作品をさかのぼって買い求めるユーザーが急増しているという。
「うれしいですよね。ただ、“本当に?”って思いますよね。そんな変な音楽をやってるつもりはないですけど、一般受けするような音楽でもないだろうなっていう意識があるから、意外でした。その反面、“こういう音楽ってほかにないから受けるかな”って思いも少しはあったり(笑)。それがリスナーの方々の思いと一致したのかなって」
メジャーデビュー・ミニアルバム『A BIRD』を今年5月に発表後、東京、大阪、福岡などを巡る初のワンマンツアーを開催。それに加え、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 in EZO」や「Slow Music Slow LIVE '09 in 池上本門寺」などのイベントへの参加。さらに、持田香織や信近エリ、カコイミクら女性シンガーへの楽曲提供やプロデュース。また、映画「余命1ヶ月の花嫁」の音楽や数々のCM曲を制作するなど、本名の大橋好規としての活動も、その人気の上昇に確実に貢献。メジャーデビュー・ファーストアルバム『I Got Rhythm?』のテーマを大橋が“ダンス”にしようと思った背景にはこの、大橋トリオのリスナー層が現在進行形で急速に拡大しているという事実も大きく影響しているらしい。
「それとライブのお客さん、ですね。僕のライブはけっこうみんな黙って聴いてるイメージがあって。そういう方に向けてアゲ目の曲が多い方が親切かな、と。あと、大橋トリオと“ダンス”っていうテーマが僕のなかでは対極のイメージだから、その意味でも、“ダンス”を意識して作ったらどんなものができるかなっていう、言葉的なギャップもおもしろいなって。実際、アルバムの後半はもう完全にゆるい感じだったりして、幅広い意味での“ダンス”っていうか。聴いた後に、“どこがダンスやねん!?”って思われてもいいかなって(笑)」
タイトルの最後に「?」がついている件に関しては、「『I Got Rhythm』ってスタンダードの名曲にもあるので、それをそのままつけてもつまんないかなって。あと、“これで踊れー!”みたいに言ってるふうだけど、そうでもないよ、みたいな(笑)。だから、(感じ方は)人それぞれだよっていうようなニュアンス」も含まれているというあたりに、大橋トリオらしいシャレ心を感じずにはいられない。
極上のメロディーにのせて、英語詞と日本語詞を同じ空気感と温度感でさらりと歌うここちよい声。ピアノやギターを主役にした、ジャズやフォーク、カントリー、ワルツ、ロック、ポップスといったさまざまなジャンルが混ざり合う、シンプルで繊細なアコースティックサウンド。そんな大橋トリオ・サウンドを構成する要素のなかでもっとも大切なものが、「生演奏であること」だという。
「『I Got Rhythm?』は完全に生演奏。ピアノとギター、ベース、あとドラムも数曲と、ほとんどの楽曲を自分で演奏してるという部分でいえば、演奏クオリティーとしては決して高いとは思っていないんです。でもそこはあえて生っぽさで押そうっていうか。生演奏の温度感とか演奏者それぞれの人間味とか、技術とか。最近は打ち込みのみの音楽も多いけど、僕は人間のキャパシティー内でどこまでできるかっていうもののほうにひかれるんです」
生の歌声と生演奏という、人間自身が作り出すここち良さ。それこそが、抜群のセンスとスキルが生み出した高品質な音楽であるにもかかわらず、大橋トリオが幅広い人々に愛される理由、なのかもしれない。
(文 / 早川加奈子)
1950〜1970年代のジャズやスウィング、ロック、カントリー、ファンクなどをベースに持ち、全編生演奏にこだわった、新時代のスタンダードミュージック。待望のメジャーからのファースト・フルアルバムとなる本作では、新たに踊れるアップチューンも加わり、ますますジャンルでくくることのできない魅力を堪能することができる。

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