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パワープッシュ

2010/2/19公開

スリリングな音楽の快楽

東京事変
スリリングな音楽の快楽

インタビュー

東京事変インタビュー

東京事変が約2年ぶりとなる4枚目のアルバム『スポーツ』をリリース。ツワモノぞろいのメンバーが、真剣勝負で音楽をフィジカルに作り上げるとこういう作品になる! といういい意味で濃厚な1枚。よりバンド感を強めつつあるいま、椎名林檎、伊澤一葉、浮雲の3人を直撃してみた。

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「また反骨精神がわいてきた感じ」(椎名)

東京事変、約2年ぶりとなる4枚目のアルバム『スポーツ』が完成。本作ではメンバー5人が“スポーティー”な音楽を目指し、音楽の肉体性を追求することで、しのぎを削りながら調和するこのバンドの本質的なユニークさやすごみがみずみずしくほとばしっている。誤解をおそれずに言えば、もはや作詞作曲者のクレジットがどうでもよくなるほどに、どの楽曲も“東京事変”にしか提示できない音楽の刺激と感動に満ちているのだ。この傑作を体感しない手は、ない。

■東京事変というバンドの本質的なユニークさやすごみがほとばしっていて、それでいて強力なポピュラリティーにも満ちている。先行シングル『能動的三分間』で覚えた刺激や感動は、ここにつながっていたんだなと思いました。

浮雲:自分ではオーガニックな感じがします。曲の作りはパキッとしているんだけど、肌ざわりがよくて、後味がいいみたいな。

椎名:オーガニックって、確かにそうだなって思います。家のなかや庭にあるものだけで作っているというか。安直にどこかからパッと買ってきたものを入れたりしないように努めたような。それは「スポーツ」というキーワードを念頭に置いたからなんですけど。これまで自分たちが培ってきたものを全部出し切るような制作でした。

伊澤:それぞれのキャラクターが立っていて、事変らしい感じに仕上がったと思います。5人の関係性がそのまま音になっている感じがします。

■その“事変らしさ”を確立したのは、林檎さんがあえてコンポーザーの立場から離れて、浮雲さん、伊澤さんの楽曲を強くフィーチャーした前作『娯楽(バラエティ)』の存在が大きいと思います。

椎名:そうですね。浮雲とわっち(伊澤)が作っていた作品はもともと好きだったんですけど、彼らが作る曲は彼ら自身の声がもっとも合うとも常々感じています。それと当時は音楽シーンを憂えていたんです。音楽らしい快感のある、エッジーなものが少ないんじゃないかって。そのなかで私たちはいつもいい作品を作ろうと思ってがんばってきて……何かと“飛び道具”みたいな扱い方をされてしまうんですよね。もちろん、ほめ言葉としてくだっている場合もありますが、こちらは日常的な音楽を作っているつもりですのに。

■だから、日常にフィットする音楽として機能するにはどうしたらいいか考えた。

椎名:そう、それで日常にフィットして使い心地のいい、長く使えるものとして機能させるために彼らの曲のパワーを借りようと思ったんです。当時は私自身が本格的に落ち込んでいて、この『スポーツ』のようにアクティブな作品はとても作れないな、という情緒的なところにあったんです。でも、ここまでアクティブに引っ張ってもらったのは彼らの曲と、ツアーの存在が大きかったです。その勢いもあって、昨年ソロアルバム(『三文ゴシップ』)も録らせていただきましたし。そこから急にまた“何クソ!”という反骨精神もわいてきたという感じでした。

■すべてがカウンターとしてとらえられてしまうジレンマは、林檎さんがずっと抱えてきたことですよね。

椎名:ええ。デビューのときから。

■でも、それが『娯楽(バラエティ)』以降、ニュートラルな状態で音楽と向き合いながら、かつそれがよどみなくリスナーに届いているという実感があると思うんです。

椎名:本当にそれを感じたのは『能動的三分間』をリリースしたときですね。ふつうに使っていただいているという、うれしい実感がありました。

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プロフィール

東京事変
東京事変
とうきょうじへん
椎名林檎(しいな・りんご / ボーカル)、亀田誠治(かめだ・せいじ / ベース)、刃田綴色(はた・としき / ドラム)、浮雲(うきぐも / ギター)、伊澤一葉(いざわ・いちよう / キーボード)。
2004年9月にデビューシングル『群青日和』で本格的に活動を開始、2004年11月にはファーストアルバム『教育』を発売する。2005年、ギターの晝海幹音とキーボードのH是都Mが抜け、新たに浮雲と伊澤一葉が加入、第2期東京事変がスタートし、2005年11月にサードシングル『修羅場』をリリース。
2006年1月発売のセカンドアルバム『大人(アダルト)』が、オリコンチャート初登場1位を獲得。
2007年7月リリースのシングル『OSCA』を皮切りに、同年8月には5枚目のシングル『キラーチューン』を、そして9月には、約1年8か月ぶりとなるニューアルバム『娯楽(バラエティ)』をリリース。10月より初のスタンディングツアー「東京事変 live tour 2007 Spa&Treatment」を開催。
2008年は「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」への出演、東京事変主催の「SOCIETY OF THE CITIZENS vol.2」を開催。そして、2009年12月リリースのシングル『能動的三分間』を皮切りにまた新しい東京事変像を示し、2010年2月24日、4枚目のアルバム『スポーツ』をリリース。


最新情報
2010年3月26日より全国ツアー「東京事変live tour 2010 ウルトラC」を18都市22公演で開催。詳細は東京事変公式サイトで。

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